基準法と地震(2)
またまた登場「おかまっぷ」です。
前回の基準法と地震の関係の続きです。
前回最後に述べたように1950年になって、建築基準法が制定され、それまで市街地だけで考えていた建物の安全性が、全国どこで建てる建物についても安全を考えなければならないことになりました。 この時、建物自身の重さ(自重)や建物に載せる荷重(積載荷重)、雪国の雪荷重のように、長い時間かかり続ける荷重を長期荷重とし、地震や台風のように一過性の荷重を短期荷重と呼ぶことにし、安全率のとり方を長期と短期で変える事にしました。例えば300の力まで耐えられるコンクリートの場合、短期荷重に対しては2/3の200の範囲で、長期荷重については1/3の100までに納まるようにゆとりをもって柱や梁の断面を決めるという事です。(そこまでは許すという事から、このような設計法を許容応力度設計法と呼び、現在でも使われている方法です。) この長期と短期の許容力の違いをもうけたことから、それまで地震力を支えている荷重の0.1倍としていたものが、このときから短期荷重として0.2倍を考えることになり、(表現が変わっただけで、実質的には変わりません。)その後、この0.2倍の考え方がつづきます。
1964年には、それまでの振動についての研究成果を取り入れ、地震時の建物のゆれ具合を考慮した設計方法を取り入れましたが、最下部から建物に入ってくる地震力を自重の0.2倍とすることは、従来と変わりませんでした。
1968年には十勝沖地震、1978年には宮城沖地震があり、そのつど、被害を教訓に基準法を改定してきましたが、補強筋の巻き方やピッチなどについての見直しで、地震の力そのものの変更ではありませんでした。
1981年に、それまでの地震に対する研究の成果を集大成して、基準法の地震項が「新耐震設計法」と呼ばれる方法に大改定されました。この大改定では、建物を設計する際に、二つの地震について検討することが義務付けられました。一つは、その建物が存続する間に2~3回遭遇する可能性がある中規模の地震に対する検討で、振動性状を考慮して各階に働く水平力を算出するのですが、最下部に生じる水平力を、自分が支える荷重の0.2倍を標準値としています。もう一つはその建物の存続中に遭遇するやも知れない大規模な地震に対する検討で、最下層での標準値として自分が支える荷重の1.0倍とすることになっています。そして、この法律の考え方が現在も使われているのです。
この1981年(昭和56年)は耐震の世界では非常に大きな転換期であり、画期的でした。
現在の耐震改修に伴う固定資産税減税なども、この年より前という前提があり、基本的にはこれ以降の建物と以前の建物では安全面で大きな差がでてしまいます。
ただ、またこの後、1995年に兵庫県南部沖地震(阪神淡路大震災)が発生し多くの建物が倒壊し尊い命が失われました。
それでまた基準法が改正されるのですが、長くなってしまいましたので(また頭がいたくなる?)その話はまた次回にします。






