冬の結露を「ゼロ」に近づけるには?—断熱だけでは防げない、住宅のプロが教える本当のところ
2025.12.06 Sat

こんにちは。新築コンサルタントのイデです。
冬になると、窓に水滴がついたり、押し入れがジメッとしたり……そんな結露の悩みを毎年感じている方も多いのではないでしょうか。
「断熱が弱いから結露する」と思われがちですが、実は断熱性能だけでは結露は完全に防げません。
結露を“ゼロ”に近づけるカギは、断熱・気密・換気の3つをいかにバランスよく整えるかにあります。
この記事では、私たちが日々の住宅づくりで大切にしている「結露対策の本質」をわかりやすくご紹介します。
1.断熱|表面温度を上げるための「基本性能」
断熱は、外の冷気を室内に伝えにくくし、壁や窓の表面温度を上げる働きがあります。
もちろん、高断熱の家ほど結露しにくいのは事実です。
しかし、どれだけ断熱材を厚くしても——
室内の湿度が高ければ結露は発生します。
人の呼吸、調理、お風呂、洗濯物の室内干し、加湿器などから発生する水蒸気は、一日に10リットル以上に達することもあり、放っておけば室内の湿度はすぐに上昇してしまいます。
断熱は大切ですが、「断熱だけで結露をなくせるわけではない」ということがポイントです。
2.気密|湿気を“構造内部に入れない”ための重要性能
結露の中でも特に怖いのが、壁の中や天井裏で起こる内部結露です。
気密が甘い住宅では、湿った空気が壁内部に入り込み、冷たい部分で結露 → カビや構造材の劣化につながります。
これが続くと、耐久性にも影響し、家の寿命を縮めてしまうことも。
そこで重要なのが気密性能(C値)。
私たちは、湿気をコントロールできる家づくりのために、C値=1.0以下(できれば0.5以下)をひとつの基準としてご提案しています。
“見えない性能”だからこそ、家づくりの段階で必ず確認していただきたいポイントです。
3.換気|室内の湿度を一定に保つ「住まいの呼吸」
現代の住宅には24時間換気が義務づけられています。
しかし実際には、
- ・フィルターが詰まったまま
- ・給気口が閉じられている
- ・設計通りの換気量が確保されていない
など、本来の性能を発揮できていないケースも多く見られます。
換気は“空気の入れ替え”だけが目的ではありません。
余分な湿気を屋外に排出し、室内の湿度を一定に保つための仕組みでもあります。
特に窓を開けづらい冬は、換気システムの働きが“結露予防の最前線”と言えるほど大切です。
結露を防ぐのは「断熱 × 気密 × 換気」の掛け算
結露ゼロを目指すなら、この3つが欠かせません。
① 断熱——表面温度を上げる
② 気密——湿気の侵入を防ぐ
③ 換気——湿度を外に逃がす
どれか1つでも欠けると結露リスクは一気に高まります。
住まいの快適さ、そして建物の寿命に関わる非常に重要なポイントです。
家づくりで後悔しないために。チェックすべき質問
結露対策を本気で考えるなら、ぜひ住宅会社に次の内容を確認してみてください。
- ・断熱材の種類と施工方法は?
- ・樹脂サッシ・トリプルサッシなど窓性能は?
- ・C値は実測値でどれくらい?
- ・換気システムはどの方式?
- ・メンテナンスしやすい設計になっている?
これらにしっかり答えられる会社は、“結露しない住まい”を本気で届けられる会社です。
快適で長持ちする家づくりのために
結露は「冬の不快な現象」ではなく、家の健康状態を示すサインとも言えます。
私たち無垢スタイル建築設計は、断熱・気密・換気のバランスを徹底的に考え、住まいの快適性と耐久性を高いレベルで両立させる家づくりを行っています。
「結露しない住まいを建てたい」「性能の良い家づくりについて詳しく知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。



