住宅を建てる前に知っておきたい「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」
2025.10.04 Sat
こんにちは。無垢スタイル建築設計の岡部智之です。
住宅を検討するとき、多くの方が「建築費用(イニシャルコスト)」に目を向けます。
しかし、実際には 住み始めてからかかる「ランニングコスト」 をしっかり考えることが、快適で後悔のない家づくりにつながります。
例えば、エアコンを安く購入しても電気代がかさむ、百均のモバイルバッテリーがすぐ壊れる…そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
住宅でも同じで、「安く建てる」ことだけを重視すると、住んでから大きな出費につながるケースがあります。
- ●住宅本体の価格
- ●付帯工事費用
- ●土地の取得費用
- ●登記・ローンなどの諸費用
イニシャルコスト(購入時にかかる費用)
- ●光熱費
- ●修繕・メンテナンス費用
- ●ローン返済
- ●固定資産税
ランニングコスト(住み続けるために必要な費用)
ランニングコストを左右するポイント
住宅は数十年暮らすものですから、ランニングコストを意識することが非常に重要です。
断熱性能と光熱費
断熱材やサッシを高性能なものにすれば、初期費用はかかりますが光熱費が安く済み、結露リスクも軽減されます。
結果的に 快適性と長寿命 を同時に手に入れられます。
外壁・屋根のメンテナンス費用
外壁や屋根は風雨に晒されるため、素材の選び方で維持費が大きく変わります。
・一般的なサイディングやスレート屋根:10年ごとに足場+塗装・補修で、40年で約400〜700万円
・高耐久の外壁材・屋根材:20年ごとのメンテナンスで済み、40年で約200万円
その差は600万円以上。
光熱費の差を含めれば、さらに大きな違いが生まれます。
実体験から学んだこと
実は私の自宅も、今年で築22年になります。建築当時としては最新の高断熱・高気密住宅を建てたことで、光熱費を抑えながら快適に子育てをすることができました。
さらに、外壁・屋根には耐久性重視の素材を採用していたため、22年間一度も足場をかけてのメンテナンスはしていません。
一方、同時期に建てたお隣の某ハウスメーカーの住宅は、20年の間に2度の外壁塗り替えと屋根の葺き替えを行っており、大きな費用がかかっています。
この体験からも、初期に少しコストをかけてでも、ランニングコストを抑えられる住宅 を選ぶことが大切だと実感しています。
後悔しない住宅選びのために
住宅は「建てて終わり」ではなく、「住んでからが本当のスタート」です。
イニシャルコストとランニングコストをトータルで考えることが、賢い家づくりにつながります。
無垢スタイル建築設計では、高断熱・高気密の住宅性能・メンテナンス性を考えた素材選び・長期的な視点に立った設計を大切にしています。
これから家づくりを検討される方は、ぜひ「ランニングコスト」まで見据えて比較検討してみてください。