温故知新から学ぶ〜序章〜
2005.06.16 Thu
初めまして、アシスタントのオサムと申します。
温故知新【おんこちしん】
昔の事を調べて、そこから新しい知識や見解を得ること。ふるきをたずねて新しきを知る。三省堂提供「大辞林 第二版」より
先日、上司からこんなことを聞きました。「現代人は、江戸時代の人が一生かけて得る知識を一日で得てしまう」ということです。確かに廻りを見渡してみただけでも、電話があり、コピー機があり、FAXがあり、実際この文面を打っているのもパソコンです。また、移動手段としても、車があり、飛行機があり、電車があります。これらを考えただけでも驚きですよね。
少し想像してみて下さい。江戸時代であれば、遠方の人に何かものを伝えるにも手紙(飛脚!?)が何日もかけて届け、何か書籍を手元に残すにも、何日もかけて手書きで写すわけですから大変な作業ですよね。
ただ、表裏一体とはよく申しますが、ふと思うのは、便利になった分、不便になる点や欠けてしまう所がかならずありますよね。車が出来て移動の簡略化と範囲の広がりを得た分、足腰が弱くなったり、ちょっとした小道に入る楽しみがなくなってしまったり、近所の人との面識が薄れたり。。。TVやパソコン、TVゲームも同じですよね。近所の人どころか、家庭内でもコミュニケーションがなかなか取れなかったり。
勝手にふと思うことは、今までは、自然に囲まれた中で育った両親がゲームやTV大好きで自分の部屋からなかなか出てこない子供にどのように教育すれば良いのかわからないというイメージが強かったですが、これからは、子供の頃からゲームやTV大好きで人付き合いをあまりしてこなかった人が親になった時に自分の子供との接し方すらわからなくなってくるのではないか、そんな気がしている訳ですが。(余談ですが、『電車男』がわかりやすい例ですよね。インターネットを通じて、見たこともあったこともない人に自分の悩みを相談する。それを受けた人も、親身になって相談にのってあげる。ある意味、お互いが会ったこともないし、極論一生会うこともない相手だからこそ、素直な意見がいえる。まさに現代風の相談の仕方ですよね。)
ダラダラと自分勝手なことを申し上げておりますが、何の話がしたいのかというと、現代というのはとても便利な世の中だと思います。
しかし、良い世の中かと申しますと・・・それは人それぞれかと思います。それは家づくりでも同様です。どんな家が良い家なのかというのは人それぞれ違うと思います。便利な家を良い家という人もいますし、ローコストで建てられる家を良い家という人もいると思います、健康的に過ごせる家が良い家という人もいます。
また、それが良い世の中でも悪い世の中でも、現代に慣れてしまった私達は古き良きものを取り入れるにも限界があるのではないでしょうか。大都会ではなく、大自然の中で暮らした方が良いといってもそれには限界がありますし、TVはよくないと言われても今となっては見ない訳にはいかないと思います。そんな現代の暮らしに、まさに人の血の通った、家族の絆を強く感じる古き良き時代の暮らしを取り入れ活かす家づくりに携わることが出来れば私は幸いです。
新しいものを追求する中に古きよきものを取り入れる・・・・・・・。
長くなりましたので続きはまた次回にしたと思います。つづく