『455』にまつわる話
2023.09.28 Thu
こんにちは。無垢スタイル建築設計の岡部智之です。
実は私、建築業界にいるにもかかわらず、学生時代は大の数学嫌いでした。
しかし今は、とある数字の計算については、数学好きに負けない特技があります。
それは、『455』の倍数をスラスラ言えることです!
『455、910、1365、1820、2275、2730、3185、3640、・・・』
こんな半端な数字の倍数を、私をはじめ、この業界の人はスラスラ言える人が多いです。
なぜ455の倍数に強いのか。
その秘密は尺貫法にあります。
1尺=303mm(30.3cm) を基準にした単位が尺貫法です。
♪アルプス一万尺 小槍の上でアルペン踊りを踊りましょ♪
一万尺(10000尺)=3030メートル、槍ヶ岳の頂上の少し下にある小槍、実は本当に3030メートルだそうです(昔の人はどうやって測ったのでしょうか?)。
1寸は、1尺の10分なので30.3mm。 一寸法師かなり小さいですよね。3㎝ですよ!
では、尺八は・・・1尺8寸の長さ、1.8尺×30.3㎝=約54cm。
ケーキの型の号数は、直径の寸法です。5号=5寸=直径15㎝という具合です。
日本の木造建築の世界は、尺寸を用いるのが主流です。
尺寸法をメートル法に換算して家を造っていきます。
- 1尺(303mm)
- 1尺5寸(455mm)←しゃくご、などと略して呼ぶ
- 2尺(606mm)
- 3尺(910mm)←半間:はんげん、とも呼ぶ
- 6尺(1820mm)=1間(けん)という単位になります
- 9尺(2730mm)=1.5間(一間半:いっけんはん、とも呼ぶ)
- 12尺(3640mm)=2間
畳の寸法は、3尺×6尺(910㎜×1820㎜)です。
合板の大きさで3’×6’(サブロク)と呼ばれている寸法です。
ちなみに畳2枚は、1間(6尺)×1間(6尺)で1坪と言う単位になります。
木造住宅は、基本的に3尺(910㎜)を基本に骨組みを構成していきます。
その半分の1.5尺(1尺5寸:しゃくご)=455㎜も、多く用いる数字です。
ですので、『455』の数字に強くなるわけです!
収納の奥行きは、たいてい以下の寸法でいけます。
- 本棚や靴箱収納の奥行きは、たいてい30㎝(1尺)
- 食器棚やフリー棚の奥行きは、たいてい45㎝(1尺5寸)
- 洋服収納(たんすなど)は、おおむね60㎝(2尺)
- ふとん収納などの押し入れの奥行きは、90㎝(3尺)
人間の骨の一部(腕の肘から手首にかけての尺骨)が1尺の基準と言われています。
『人』を単位にした単位であり、日本の伝統的な(西暦701年の大宝律令に記されていたと言われています)尺貫法は、比率のバランスも美しく、間取りや収納などの実用性が高いので、日本の家づくりには欠かせないものなのです。
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