設計のコツ ~広さの感じ方~
2022.10.20 Thu
こんにちは、建築コンサルティング部の大林です。
今回は、私が常日頃お客様にお伝えしている、注文住宅の設計をする時のコツを一つご紹介させていただきます。
家を建てる時、一つの重要な要素として、床面積をどのくらいにするか、どのくらいの広さの家にするか、ということがあるかと思います。
人をたくさん呼びたいので、なるべく広いリビングがいい、あまり広すぎると掃除が大変なので適切な広さがいい、など、広さを考えるときに、どのような生活をしたいか、どのような家にしたいか、ご家族の人数、育ってきた家の広さ、趣味やプラスアルファーのスペースが必要、など、人によってさまざまかと思います。
広い家にしたい、というご要望の中に、広々している方が気持ちがいい、とか、狭い家は窮屈に感じるから、など、感覚的に広さを求めている場合があります。
特にそういった場合に重要になってくるのが、「広く感じる」設計をすること、ではないかと考えています。
というのは、「床面積の大きさ」と、「広さの感じ方」は必ずしも比例しないからです。
言われてみればなんとなく分かる話かもしれませんが、一般の方でそのようにはっきり認識している方はほとんどいらっしゃらないかと思います。
「広く感じる設計のコツ」がいろいろあるのですが、これは実際に体感していただくのが一番わかりやすいかと思いますが、今日はそのポイントをいくつかご紹介しておきます。
①なるべく廊下をつくらない
②なるべく仕切りをつくらない
③空間を兼ねる
④回遊できる間取りにする(行き止まりをつくらない)
⑤天井を高くする
⑥吹き抜けを設ける(高さだけでなく、広がりや、家の一体感が出て広く感じます)
など、いろいろなコツがあります。
今回は一つ一つの細かい事例などは割愛させていただきますが、その中でも、特にコストもかからず、私が一番効果が高いと感じているのが、「視線がどこまで通るか」という要素です。
仕切りをつくらないことや、吹き抜けをつくることも、視線が通るという意味もあるかもしれませんが、一番大事なのは窓のつけ方になります。
例えば一つ例を挙げると、2階建ての2階に子供部屋があり、その部屋の東面や西面に窓を付ける場合がよくあると思います。
一般的には、床から110㎝ほどの高さまで壁になっていて、その上に高さ90㎝や110㎝の窓を付けるということが良く見受けられます。
その場合、立地にもよりますが、窓の外には1mほど先に隣の家の壁があるということがあるかと思います。
窓のすぐ外に家の壁があると、圧迫感があり、カーテンを開けて気持ちいいという感じではないですよね。
そこを少し工夫して、窓の取り付け高さを天井際まで上げて、高い位置に窓を付けてみます。
そうすると、隣の2階建ての屋根の上の空や雲が見えて、とても開放的に感じるということがあります。
この場合、窓の高さを変えただけで、コストは全く変わりません。同じ敷地、同じコスト、同じ部屋でも、窓の取り付け方によって広さの感じ方が全く違う、ということが起こります。
このようにして、敷地の周辺の建物の状況や空間、借景などを考慮して、設計をし、窓を設置することで、敷地の可能性を最大限活かした家になりますし、床面積以上に広く感じる家になりますので、建物を無駄に大きくしなくて済み、建築コストも抑えることができます。
他にもいろいろなコツがありますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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